パソコンには周辺機器を接続するためのUSBポートが複数ありますが、いざケーブルをつなごうとした時に、黒(白)と青のどっちに挿せばいいのか迷ったことはありませんか?
どっちに挿しても普通に動くので特に気にせず空いている所を使ってるという方も多いのですが、もしかするとお手持ちの機器の中に『青い方でないと能力を発揮できないよ・・・』というものがあるかもしれません。
色の違いは「USBの規格」の違い
USBのポート(挿し込み口)の色が異なるのは、USBの規格の違いを表しています。
こちらは2種類の挿し込み口があるタイプの参考画像ですが、ポートが黒(機器によっては白色の場合もあります)の方は「USB2.0」、青い方は「USB3.0」に対応しています。
2.0よりも3.0の方が後発の規格で、データの転送速度に違いがあります。
規格 | 最大転送速度 | メガバイトに直すと? |
USB2.0 | 480Mbps | 毎秒約60MB |
USB3.0 | 5Gbps | 毎秒約625MB |
~ここでちょこっとお勉強タイム~
「bps」って確か1秒間に転送できるデータ量の単位だったよね。480Mbpsは「1秒に480メガバイト」、5Gbpsは「1秒に5ギガバイト」が転送できるって思ってたけど、違うんですか?
「bps」(ビーピーエス)とはbits per second(ビット パー セコンド)の略ですので、「480メガバイト」ではなく「480メガビット」となります。バイトに直して計算する時は、8ビット=1バイトなので、480を8で割ればいいわけですね。
そっか!480÷8で60メガバイトになるってことだね。
5ギガの方は5÷8=0.625で、1ギガは1000メガ※だから、0.625×1000=625メガになるのか!
※1ギガは厳密にいうと1024メガですが、ざっくり計算の時はわかりやすく1000で換算して問題ありません。
と、このように2.0と3.0では10倍近い速度の差があるということですね。
しかし、何でも青いポートに挿せば速くなるのか・・・というとそうでもありません。USBは下位互換性がありますので、2.0の規格で作られた機器を青ポートに挿しても普通に使うことはできますが、機器本来の能力値を超えるパワーブースト的な何かが起こるわけではないので、速度は黒(白)ポートにつなげた時と変わりません。
接続する機器 及び 機器同士をつなぐUSBケーブルやUSBハブがすべて3.0に対応している状態でないと、本来の性能は発揮されないということです。
もし、こちらの画像のようなUSB3.0(左)とUSB2.0(右)の2種類のメモリスティックをお持ちでしたら、コネクタが青い3.0の方は青ポートに挿して使いましょう。黒(白)に挿してしまうとせっかくの速さが生かせなくなってしまいます。
キーボードやマウスは転送速度を必要としない機器だから、2.0のポートでも充分なんだね!
尚、「3.0のポートで2.0の機器を使う」分には問題ないとしても、その逆は物によっては少々注意が必要な場合があります。
3.0を基準に作られたUSBで給電しつつデータ転送を行うサブモニタなどは、接続のどこかに2.0規格が混在すると給電不足となり正常に動作しない事があります。(2.0と3.0では給電能力にも結構大きな差があるのです)
USBの規格は機器の箱や仕様書に必ず記載されていますので、もしお手持ちの機器でちゃんとつないでいるのになぜか動かないというものがあれば、端から端まで規格がきちんと統一されているかを確認してみてください。実はUSBが原因でした・・・という事は意外に多いのです。